誰でも「会社四季報」を深読みできる方法とは?④

5年で128社の株価が10倍以上に!

過去5年間を振り返ってみると、全上場の3256社の中で128社の株価が10倍以上に達しています。テンバガーに出合える確率は、宝くじの高額賞金の当選率よりもはるかに高いと言えそうですね。しかも、テンバガーは私たちの普段の生活に身近な会社が多いのも特徴です。

みなさんに馴染みがありそうなテンバガーの具体例をいくつか見ていきましょう。

たとえば、著名人が次々とダイエットに成功してバツグンの知名度を誇る減量ジム「ライザップ」を運営する「RIZAPグループ」。前身である健康コーポレーション時代に「豆乳クッキーダイエット」一筋から、美容の消耗品ビジネスなどに注力し始めたことで業績や株価は大きく伸びました。その後も積極的にM&Aを行い、株価は安値から考えれば実に1261倍にまでなりました! テンバガーどころか1000倍以上にもなっているわけです。

実はテンバガーとなった銘柄には、4つの共通点があります。逆から言えば、それら4つのポイントを満たしているにもかかわらず、まだ株価が10倍になっていなかったとしたら、その銘柄がテンバガーとなる可能性がとても高いわけです。しかも、「営業利益率」や「上場してからの年数」など、4つの共通点はいずれも「会社四季報」でカンタンにチェックできるものばかりです。

株価10倍高銘柄に共通する4つのポイント

共通点

増収率は売上高が増えるピッチのこと、売上高営業利益率とは、売上高に儲けが占める割合

ポイント① 増収率

増収(収入が増えている)とは、その会社の売上高が伸びていることです。取り扱っているモノやサービスが売れれば売れるほど、利益も増えていく可能性が高まっていくので、「増収率が高い=売上が急ピッチで増えている→その会社の成長性は高い」と判断できます。
Jの欄に売上高の推移が出ているので、その大まかな変化に注目してみるといいでしょう。過去4年間で売上高が2倍以上に伸びていれば、テンバガー候補の1次選考をクリアしたと言えます。

ポイント② 売上高営業利益が10%以上

上高の伸びとともに、「儲けが出やすいビジネス」である点も重要です。それは、売上高に対して利益が占める割合が高いことを意味します。具体的に言えば、売上高営業利益率が10%以上に達しているという条件を満たす会社が当てはまります。売上高営業利益率は「営業利益÷売上高」という式で計算でき、これが高いほど「儲けが出やすいビジネス」だと判断できます。

営業利益とは、その会社が本業で得た儲けのことです。四季報の売上高の右脇に出ているので、スマートフォンの電卓機能などで先ほどの式を用いて計算すれば、売上高営業利益率はすぐに判明します。さらに、会社四季報オンラインなどのスクリーニング機能を使うと、もっと作業が楽になるので、そちらも試してみてください。

ポイント③オーナー企業

オーナー企業とは、 その創業者や家族が大株主となって経営している会社のことです。いわゆるワンマン経営で、自分勝手なことばかりをやっているという意味合いではなく、創業社長や創業家が強いリーダーシップを発揮している会社を指しています。

もちろん、ワンマン経営であると、その下で働いている従業員の間で不満が募る恐れも出てきます。しかし、社長の判断が正しくて業績がどんどん伸びていけば、待遇もよくなり、従業員のヤル気も高まりそうです。

また、ワンマン経営の場合はビジネスに対する判断も早くなりやすく、そうなるとちょっとした状況の変化にもすぐ対応できます。「取締役会で慎重に話しあったうえで……」などといったプロセスが必要な大企業よりも軽快なフットワークが期待できるのです。

社長が強いリーダーシップで会社を率いている一例として挙げられるのが「ZOZO」(旧社名:スタートトゥデイ)でしょう。前澤友作社長の派手な言動が注目されがちですが、この会社がネット上で運営するショッピングモールのおかげで、スマホで手軽に有名ブランドのファッションを購入できるようになりました。その結果、業績を大きく伸ばし、株価も2013年頃と比べて10倍以上に上昇しています。

ポイント④上場から5年以内

上場してから年数がさほど経っていないということは、まだ社歴の浅いフレッシュな会社であるケースが多いと考えられます。社歴はそれなりにあるものの、上場したのはわりと最近という会社の場合も、大きなステップアップを図ろうとしている可能性が考えられます。

証券取引所に上場する目的とは、より多くの人に自分の会社の株式を買ってもらうことで、ビジネスのための資金を集めるためです。つまり、上場して間もない会社は手に入れた資金を用いて、売上や利益をさらに伸ばすことに力を入れる可能性が高いのです。

会社も人間と同じように、生まれた直後はとてもか弱い存在ですが、どんどん成長が加速していくものです。そして、成熟するにつれて成長のスピートが緩やかになり、新しいビジネスなどにチャレンジしなければ、やがて業績の伸びは頭打ちとなりがちです。

なお、株式市場への上場や会社設立の時期については、「会社四季報」誌面右端のA欄に出ているので、そちらを確認すればすぐにわかります。